誤嚥を予防する口腔ケア

誤嚥リスクを最小限に抑えるためには、口腔ケアが非常に重要です。
まず、口腔ケアの基本として、日々の歯磨きが非常に大切です。
利用者の歯や歯茎を清潔に保つことで、口内環境を良好に保ち、誤嚥のリスクを減らすことができます。
歯磨きは、食後に一回、そして就寝前にもう一回行うことをおすすめします。
利用者が自分で歯磨きが困難な場合には、やさしく手助けをしてあげてください。
次に、唾液の流れを促進することも大切です。
唾液は、食べ物の消化を助けるだけでなく、口内を清潔に保つ役割も担っています。
そのため、利用者が十分に水分を取ることを心がけ、水分摂取を促すことが重要です。
また、唾液の分泌を助けるために、口の体操や顔のマッサージも効果的です。
これらの簡単なケアを行うことで、唾液の流れが良くなり、誤嚥のリスクを減らすことが期待できます。

さらに、利用者の口内環境を定期的にチェックすることも重要です。
口内に傷や炎症がないか、適切に観察してください。
何か異常を感じたら、早めに専門家に相談をすることが大切です。
健康な口内環境を維持することが、誤嚥予防につながります。
最後に、食事の時にも工夫が必要です。
食べ物の大きさや硬さ、さらには食べるスピードにも注意を払い、利用者に合わせた配慮をすることが大切です。
利用者が安全に食事を楽しめるように、一緒に食事の時間を過ごすことも一つの方法です。
誤嚥を予防する口腔ケアの秘訣は、日々の小さな積み重ねにあります。
これらのポイントを心がけ、利用者が快適な毎日を送れるようにサポートしましょう。

誤嚥や食事の熱さなどにも注意が必要

介護施設のなかには、認知症を持っている高齢者が入居している所も多いです。
特に認知症高齢者の中には言葉によるコミュニケーションが出来ない場合もあり、食事介助は気を配る必要があります。
まず、気を配りたいポイントは、食事の際に火傷等の怪我をしないようにすることです。
温かい食事を提供するため、お味噌汁などを温め直す施設もありますが、その時に温めすぎると火傷の恐れが高くなります。
そのため、食事の温度は介助者がしっかり確かめることが大切です。
そして、もう一つ気を付けたいのが誤嚥です。
認知症高齢者は誤嚥を起こしやすく、誤嚥により誤嚥性肺炎になってしまう恐れもあります。
高齢者の食事介助をするときは正しい姿勢で食べてもらい、食べるペースに合わせて食事介助をすると良いです。

また、義歯を使っている方は噛む力が弱い場合もありますので、食材のサイズが大きいと感じる場合は介護職員がスプーンや箸で細かくしたり、事前に適宜調理バサミなどを使ってカットするなどの工夫も必要です。
その他には、他の介護職員への配慮も食事介助の際には求められます。
よくあるのが認知症高齢者が他の高齢者の食べ物を食べてしまうケースです。
そうなると他の認知症ではない入居者も良い気はしませんので、食堂など一箇所に集まって食事をとる場合は何処に座ってもらうかを考える必要もあります。
また、認知症高齢者は食べられるものと食べられないものの区別が出来ない場合もあるので、箸置きなど飲み込む恐れがあるものは近くに置かないようにしましょう。